大会を終えて

大会を終えて

第31回 視覚障害リハビリテーション研究発表大会大会長 松井くにお

第31回 視覚障害リハビリテーション研究発表大会大会長 松井くにお
大会長 松井くにお

 この度は、金沢市で開催しました第31回視覚障害リハビリテーション研究発表大会にご参加いただき、誠に有難うございました。幸い連日好天にも恵まれ、400名を超える多くの皆様にご参加いただきまして、無事終了することができました。
 これもひとえに皆様のご協力とご支援の賜物と、心より御礼申し上げます。
 今年度の大会長をお引き受けいたしましたが、昨年度の大会では、病気・入院のアクシデントがあったために参加できず、今大会が初めての参加となり、従来の大会との比較にはなりませんが、私が経験してきた工学系の学会との比較を含め、所感を残します。

1.大会の位置付けについて
 通常の学会では、論文の投稿が必須です。査読付きであれば、客観的な評価は高くなります。今大会は、論文の投稿を義務付けておらず、学会ではありません。名称は「視覚障害リハビリテーション活動発表大会」の方が適切だと思います。

2.大会の統一テーマについて
 今大会は、「これってインクルーシブ?」というテーマでしたが、各発表がテーマを意識した一体感のあるものだと感じました。また、参加型の発表もあり、笑顔、情熱が伝わる大会だったと思います。

3.大会の運営について
 並行セッションのない大会であり、参加者にとっては迷うことなく参加でき、盛り上がりのある運営だったと思います。アンケート等でお寄せいただいた不満に関してはいくつか改善可能なものがあると思いますので、記しておきます。

・時間管理
 並行セッションのある学会では、他のセッションへの参加の関係もあり、座長の最大の仕事はタイムキービングです。今回は、単独セッションのために時間管理ができていないセッションも見受けられ、後続のセッションに影響を与えていました。やはり、セッションごとの時間管理はきちっと行なうべきであり、そのためのプログラムでもあります。私もクロージングはもう少し時間をかけて大会を振り返りたかったのですが、時間に追われてしまったのが残念でした。

・会場までの案内
 会場までの案内が不足している意見がいくつかあったと思います。今大会では、アルバイト学生は10人ほどいましたが、その配置に問題があったように思えます。受付2、マイク運び2、機器操作2、記録1、タイムキーパー1、誘導2の人員配置でしたが、受付1、マイク運び1、機器操作1、記録1、タイムキーパー1、誘導5が適切な配置だった思います。さらに酷暑での屋外での活動と冷房の効いた屋内での活動は、ローテーションが必要だったと思います。

・クローク
 クローク機能は、国際学会や国内でも参加費の高い(2‐10万円程度)学会では、ホテルや会議場の機能をそのまま用いています。今大会は、5-8千円の参加費であり、セキュリティや人員配置の面から割愛せざるを得ないものだと考えます。「クロークはありません」と明示することで、不満はある程度解消できるものだと思います。

・ファシリティ
 椅子、机の移動は参加者自ら行なうものでしたが、短い時間でスムースに対応できました。学会運営自体を外部業者に委託することも可能ですが、この規模だと100万円/日ほど必要で、参加費が今の2倍になるおおよその概算です。手軽に参加可能にするか、楽な運営にするかは、今後の大会の主催者側で議論すべき課題だと思います。また、プロジェクタに関しては、コントラストの明確さを優先する調整を行なったため、色(特に重要な黄色)が変色した状態が続きました。点字ブロックは黄色が重要、というメッセージもこれでは届きません。慎重なチューニングは申し渡し事項にしたいと思います。

 以上、門外漢な私が大会長をお引き受けし、一年間の活動を通じた率直な感想でした。
 最後に実行委員の皆さん本当にお疲れ様でした。ボランティアでの参加は自分のためであり、皆さんも何かしら得るものがあったのではないかと思っています。私も皆さんと知り合い、一緒に仕事ができたことを大変誇りに思っています。ありがとうございました。